怒りよ さようなら

書籍

対人関係の怒りは起きていない⁉
ヨガの心理学をもとにした、対人関係の怒りを解消する方法
他人によく腹を立ててしまう人に読んで欲しい1冊

 

目次

はじめに
01 怒りの原因は自分の心にある
02 サンスカーラ理論
03 心の相対性について
04 相対的な心の作用が作り出す怒り
05 怒りを克服する
06 対人関係の問題
07 他人に対する否定的な印象が作り出す怒り
08 他人を批判しない
09 願望が怒りに変わる
10 願望を手放す
11 心の三つの性質
12 三つの性質の対立
13 怒っているのは自分ではない
おわりに

 

 

はじめに

 

みなさんは最近、誰かに腹を立てたり憎らしいと思ったことはありますか? もちろん、ほとんど怒りのない生活を送っている方もいるかもしれませんが、多くの方が、相手の腹立たしい行動や不愉快な言葉によってメラメラと燃え上がった怒りを、無理やり誤魔化したり押さえ込んだりしながらなんとかやりくりしている、そんな感じではないでしょうか。

怒りが生み出す激しい感情の波は、決して心地よいものではありません。怒りは、とにかく人を乱暴にしたり、夜も眠れないほど心をかき乱したりするからです。また、怒りによって大切な人間関係を壊してしまったり、極端な場合、暴力や殺人などへと発展することもあります。したがって、怒りに向き合い怒りを克服するということは、私たちがこの人生で取り組まなくてはならない重要な課題の一つであると言えるでしょう。

本書では主に対人関係の中で生じる怒りの解決法について、ヨガの心理学を元にお話ししていきたいと思います。ヨガの心理学については、現在ほとんど知られていないので、少し解説しておきたいと思います。ヨガは、現代では様々なポーズをとる運動として知られていますが、その古い経典などでは心理学、特に人間の心の苦しみをどのように取り除くかという方法が説かれています。このヨガの教えを現代人の心の問題を解決するために応用したものがヨガの心理学です。今回は、この心理学の中で特に怒りをどのように克服すれば良いのかという考え方をお話ししていきたいと思います。

それでは、これからお話しを進めるにあたって、本書の要点を三つあげておきたいと思います。それは、

 

  • 私たちの怒りは自分の想念が作り出す(サンスカーラ理論)
  • 心は相対的に苦楽を生み出している
  • 心の三つの性質が怒りの原因となる(トリグナ理論)

 

の三つです。この考え方を解説しながら、日常的な怒りをどのように克服すればよいか、これからお話ししていきたいと思います。

 

01 怒りの原因は自分の心にある

 

誰もが怒りを解消し、イライラのない平安な日々を送りたいと願っています。この点は共感してもらえますね? もしかしたら、「憎い相手に復讐(ふくしゅう)する快感がたまりません」という意地の悪い人もいらっしゃるかもしれませんが、もしそういった方がいれば、これからお話しする全く逆のことをやってみると良いかもしれません。

まあとにかく、話しを進めましょう。私たちは怒りとどのように向き合い克服すれば良いのでしょうか。この方法について、最初に本書の結論をお伝えしておきたいと思います。怒りを解消するには、とにかく自分の心を深く観察し、怒りの原因となった心の動機を取り除くことです。つまり、怒りの原因は自分の心の中にあるので、その怒りの原因となった何らかの思考や欲求を手放すことで怒りを克服するのです。

しかし、私がこうお話しすると、皆さんは次のように反論されるのではないでしょうか。

「なぜ自分の心に向き合えば怒りが消えると言うのでしょうか? 腹の立つ相手は自分の目の前にいるのですよ。その人に恥をかかせたり罰したりしない限り、私の怒りは解消しないでしょう。問題は私にではなく、私を怒らせた相手にあるのですから」

このような反論は、確かに真っ当な意見のように思えます。しかし、私は次のようにお答えたいと思います。

「いいえ、例えあなたが腹の立つ相手を打ちのめしたとしても、怒りを解消することはできませんよ。怒りの原因はその相手にあるのではなく、あなたの心にあるからです。

例えば、誰かがあなたに失礼なことを言って、あなたが腹を立てたときのことを考えてみましょう。あなたは、『この人はなんて常識のない失礼な人だ』と思います。そして、なんとか仕返しができないかと考えるでしょう。ですが、もしその同じ失礼な言葉を別の人が言ったとしたらどうでしょう。あなたはその人に対しても同じように腹を立てるのではないですか。そうであれば、あなたが本当に腹を立てているのはその人にではなく、その言葉や行為に対してなのです。

では、その言葉や行為に腹を立ててしまう原因はどこにあるのでしょうか。それはあなたの心にあります。つまり、その言葉や行為に対して、『こんなことを言う人は許せない』とか、『こんなことをする人は失礼だ』という想念を持っているので、その人に腹が立つのです。したがって、問題はあなたを怒らせた人たちにあるのではなく、その言葉や行為を『許せない』とか、『失礼だ』と思う心の方にあるということになります。ですから、もしあなたの心にある怒りの原因を取り除くことができたなら、彼らの言動に腹を立てることはなくなるのです。

反対に、怒りの原因が自分の心ではなく、相手にあると思っていたらどうでしょうか。あなたは、次から次にその人たちを裁いていくことになるでしょう。それは終わりのない闘争だとは思いませんか? 問題はあなたの内側にあって外側にはないのですから、このような無意味な争いは今すぐにやめなくてはいけません。したがって、まずは自分の心を良く理解し、怒りの原因を取り除くように努力してみましょう」

このように、怒りの原因は自分の心にあるということを理解し、その問題に取り組んでいただくことが今回のお話しの主題です。

 

 

 

 

 

 

コメント

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